中米メキシコの首都・メキシコシティーから北へ約300km離れた“トラコテ”という小さな町に、不思議な力を持つといわれている水があります。
人口が数千人の町に似つかわしくない巨大な給水施設、「ウニケ・デ・メヒコ・ラボ」。
ここの水を見つけた所有者のヘスス・チャヒンさんは、水を発見したのは偶然であったと語る。11年前、彼は現在では愛犬になっている犬が車にはねられたのか足を怪我して倒れているところを、裏山を散歩中に発見したのです。
犬はとても足を痛がり苦しそうで、歩けない犬にせめて水だけでも飲ませてあげようと近くの水場に連れて行くと、犬は一生懸命に水を飲みました。ぐったりとした犬にもう何もしてやることができないと思ったその時、犬は突然なにごともなかったように歩き出したのです。チャヒンさんは驚き、きれいな水を飲んだからだとその時は冗談を言っていたのだが、それだけでは終わらなかったのです。ひどい腰痛に悩まされていた従業員がチャヒンさんに勧められたその水を飲んでみることにし、毎日飲み続けたところ、彼の腰痛はどんどん快方に向かいました。
それから、チャヒンさんは飲みたいという人に水を公開するようになり、水の飲む効果・効能は口コミで広がりました。これまでに300万人もの人が訪れています。
ここでは、訪れた人のファイルを作成してどんな症状の人にどれくらいの水を分ければ良いのかを管理しています。できるだけ多くの人に水を分けようという配慮からなのです。チャヒンさんは、「なぜこれほど水が効くのか調査をしてもらったのですが、成分は井戸と同じ程度で、なぜ病気に効くかは分かっていない」と言っています。