α‐アルブチン

α-アルブチン(アルファアルブチン)は、江崎グリコが開発した独自の配糖化酵素により、ハイドロキノンにぶどう糖をα結合で転移させた物質です。
江崎グリコは、独自酵素を使用したマイルドな酵素合成法により、効率的にα-アルブチンのみを量産化することに世界で最初に成功しました。

 

α-アルブチンは、江崎グリコが開発した独自の配糖化酵素により、ハイドロキノンにブドウ糖をα結合で転移し効率的に製造されます。


【イメージ】 α-アルブチンの構造・化学式


製造方法は以下のようになっています。


【イメージ】 α-アルブチンの製造法

このα-アルブチンの一連の製造方法について、江崎グリコは国際特許出願しています。

 

紫外線やストレスによって皮膚の中で生じたフリーラジカル(活性酸素)の刺激で、メラノサイト(※1)中では、メラニン(※2)生成の原因となる酵素チロシナーゼの働きが活発になります。
その結果、チロシナーゼによってメラノサイト内のチロシンからメラニンが合成され、シミ・ソバカス・日焼けの原因となります。
※1.メラノサイトとは、メラニンを産生する細胞です。恒温動物の表皮内・毛根・脳軟膜・眼球などに散在します。
※2.メラニンとは、種々の動物の組織内にある褐色ないし黒色の色素です。一般にフェノール化合物、特にチロシンから黒色素胞およびメラノサイトの中で生合成され、その量により毛髪や皮膚および目の網膜の色が決まります。


【イメージ】 メラニン生成のメカニズム


α-アルブチンは、チロシナーゼに直接作用してメラニンの生成を抑制します。


【イメージ】 α-アルブチンの働き


次に、α-アルブチンのチロシナーゼに対する阻害効果を酵素レベルで検証します。
アルブチン(β型)はマッシュルームおよびヒト培養細胞由来の両方のチロシナーゼを阻害します。一方α-アルブチンはヒトのチロシナーゼのみを選択的に、かつアルブチン(β型)よりも10倍以上強力に阻害します。


【イメージ】 チロシナーゼに対する阻害効果


α-アルブチンのメラニン生成抑制効果を、正常ヒト皮膚3次元モデルを用いた試験で、細胞レベルで検証します。
α-アルブチンの投与を中止するとメラニンの生成能が回復したこと、およびコントロールと比較してα-アルブチン投与区での生細胞数が減少しなかったことから、α-アルブチンは皮膚細胞に損傷を加えることなくメラニン生成を抑制することができると考えられます。


【イメージ】 メラノサイトの顕微鏡写真(×100)


また、α-アルブチンは細胞増殖に影響を与えない濃度域で、濃度依存的にメラニン生成を抑制します。


【イメージ】 ヒトメラノーマ細胞を用いたメラニン生成抑制試験の結果


ヒトにおける美白効果臨床試験1を行なったところ、ヒト60人による臨床試験において、α-アルブチンは1ヶ月目から他の美白成分に比べ最も効果的にメラニン生成を抑制します。この効果は、試験期間(3ヶ月)全てにおいて持続していました。
(美白効果臨床試験1の内容)
●被 験 者:各群20名
●使用方法:1%配合クリームを1日2回塗布
●評価方法:1ヵ月後に試験前との明度差測定


【イメージ】 美白効果臨床試験1の結果


また、ヒトでの美白効果臨床試験2において、α-アルブチンは紫外線により引き起こされる日焼けを効果的に抑制し、その効果は濃度依存的であることが確認されました。
(美白効果臨床試験2の内容)
●被 験 者:23名
●使用方法:各クリームを1日2回塗布
●紫外線照射:1回(試験開始日)
●評価方法:紫外線照射直前との明度差を評価


【イメージ】 美白効果臨床試験2の結果