諏訪方季(すわみちすえ)氏

“水素水”の起源

水素を含んだ飲料水といえる“水素水”の起源は、1958年(昭和33年)に電気治療器の研究者であった諏訪方季(すわみちすえ)氏が考案した「シンノオル液製造器」(水の電気分解装置)の発明と言われていて、人工的に造られた“水素を含んだ飲料水”と呼べる水は、既に50年以上の歴史を持っています。
この「シンノオル液製造機」の発売直後から、電解陰極水であるシンノオル液を飲むと体調が良くなるという評判がたち、マスコミにも取り上げられ、7年後の1965年(昭和40年)には、厚生省が「電解陰極水には、整腸効果が認められる」といった内容の通達“薬発第763号”を出しますが、「なぜ、電解陰極水に、そのような力があるのか?」という謎を解明しようとする医学的な研究は全くされませんでした。
その後は大きな話題になることもなく、評判だけが口コミで広まっていきました。

アルカリイオン水≠電解水

一般に認知されている“アルカリイオン水”という呼称は、「電解陰極水は、アルカリ性を示す水酸イオン(OH-)が豊富な水になる」という特性をもとに、1980年代初頭(昭和50年代半ば)に某大手電気メーカーによってつくられた造語が、電解水の口コミとともに広まったものです。
その後、「シンノオル液製造装置」の発売からおよそ30年後の1992年(平成4年)8月、日本テレビの報道番組「きょうの出来事」の中で、“驚異の水”と題して神戸市西区にある協和病院の河村宗典院長による「電解陰極水を用いた糖尿病による壊疽の治療例」が紹介されます。
当時としては、報道の内容は医学会の常識を覆すほどの衝撃的な内容だったために、これがきっかけとなり、一時的な“電解水ブーム”がわき起こります。大手電気機器メーカーも含めた多くの電解整水器メーカーが現れ、販売合戦が繰り広げられました。しかし、その時点では、電解陰極水についての医学的・科学的な研究がほとんどなされていなかったために、治療効果についての確かな論証が見出されないまま、電解陰極水の効能についての誇大広告やそれに対する批判、そして“薬事法”違反ではないかという消費者からの苦情などが起こり、医療関係者や学術研究者、電解整水器メーカーなどの間で論争を巻き起こすこととなりました。

ブームは去り…

そして、「国民生活センター」から電解整水器に対する批判的な報告がされるとともに、厚生省から電解整水器メーカーに対する薬事法違反などの指摘があり、一旦、電解水ブームは沈静化しました。それとともに、「所詮、水は水であって薬のような治療効果などない」という懐疑的な消費者心理を生み出す結果になりました。

「機能水研究振興財団」の設立

ところが、この出来事がきっかけとなり、翌年の1993年(平成5年)に、厚生省の外郭団体として財団法人「機能水研究振興財団」が設立され、それとともに京都大学医学部糸川嘉則教授を委員長とするアルカリイオン水検討委員会にて、アルカリイオン水の効果・効能に関する本格的な学術的研究が開始されることとなりました。

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